「もっと頑張れ!」
「気合いが足りない!」
スポーツの現場で、つい口にしてしまうこの言葉。
しかし、**頑張れば頑張るほど、選手のパフォーマンスが落ちてしまう…**そんな経験、ありませんか?
これは、決して気のせいではありません。
実際に「一生懸命やろうとする意識」が、
本来持っている力の発揮を妨げていることが多いのです。
たとえば、サーブの練習でうまく打てない選手がいたとします。
あなたは「肘の角度が…」「もっと振り切って!」とアドバイスをします。
選手はその通りにやろうと、一生懸命に意識します。
…すると、動きがぎこちなくなり、かえってミスが増える。
なぜでしょう?
それは、「意識」が体の自然な反応にブレーキをかけているからです。
この現象を説明する考え方が、**“内なるゲーム”**というアプローチです。
インナーゲームでは、人の中には2人の自分がいるとされます。
1人は「指示を出す自分(セルフ1)」、もう1人は「動く自分(セルフ2)」。
セルフ1が「こうやれ!」「失敗するな!」と口を出しすぎると、
セルフ2は緊張して、本来の感覚を失ってしまうのです。
つまり、「一生懸命」は時に、コントロール欲という名のノイズを生み出します。
では、どうすれば本来の力が引き出されるのか?
それは、セルフ2(=自然な動き・感覚)を信頼すること。
そして、選手の内側から湧き出す“気づき”を促すこと。
だからこそ、現代のコーチには「教える」技術以上に、
「気づかせる」技術――つまり、問いかけの力が求められています。
私が発信する無料のステップメール(今後案内します)では、
この“内なるゲーム”の実践方法や、選手との対話で使える問いの工夫を紹介しています。
もしあなたが、
「頑張っているのにうまくいかない」
「もっと選手の力を引き出せるようになりたい」
と感じているなら――
まずは、あなた自身の“内なる声”と向き合うところから始めてみませんか?
※本記事の内容は、W・ティモシー・ガルウェイ著『インナーゲーム』(日本経済新聞出版)を参考に構成しています。