なぜあの指導者は選手の力を最大限に引き出せるのか？

2025年6月16日 2025年6月16日

茂木ゆういち

自己調整力の秘密

指導の現場で、あるいは自身のパフォーマンス向上において、「もっとこうだったら…」と感じる瞬間はありませんか？
例えば、試合中の予期せぬトラブルに動揺して、冷静な判断ができなかったり。練習で思うような結果が出せず、つい焦ってしまったり。

実は、これらの悩みを解消し、あなたの指導やパフォーマンスを劇的に変えるカギがあるんです。それが「自己調整力」。

自己調整力とは、目標達成のために、自身の思考、感情、行動をコントロールする能力のこと。これは、生まれつき持っている才能ではなく、誰でも身につけ、そして磨き上げることができるスキルです。

自己調整力がなぜ重要なのか？

指導者として考えてみましょう。
選手が不調の時、あなたはどんな言葉をかけますか？
焦っている選手に、どうすれば落ち着いて本来の力を出させる指導ができますか？
試合のプレッシャーの中で、最適な戦略を冷静に判断し、選手に伝えることができますか？

自己調整力が高い指導者は、感情に流されず、常に客観的な視点で状況を分析できます。
選手一人ひとりの特性や心理状態を理解し、最適なアプローチを選択できるのです。
結果として、指導に一貫性が生まれ、選手の信頼も深まります。
選手もまた、自己調整力を身につけることで、プレッシャーに打ち勝ち、最高のパフォーマンスを発揮できるようになります。

これは、感情の波に乗りこなすサーファーのようなものです。
どんなに大きな波（困難）が来ても、冷静に状況を読み、ボード（自分自身）をコントロールして、目的地（目標）へと進んでいける。
自己調整力は、まさにその「ボードコントロール術」なんです。

指導の「質」を高める自己調整力

自己調整力を高めることは、スポーツ指導の「質」を根本から向上させます。
計画を立て、実行し、その結果を評価し、次に活かす。このPDCAサイクルを感情に左右されずに回せるようになる。
そして、選手たちにもこの力を育む手助けができるようになります。
あなたの指導が、単なる技術指導を超え、選手の人生を豊かにする本質的な力を与えるものになるでしょう。