こんな指示を出していたら、伝わりづらいのです。
「もっと足を早く動かせ!」
「腰を落とせ!」
「手首を使って!」
こうした技術的な指示が、思ったように伝わらないことってありませんか?
それもそのはず。言葉は“理屈”であって、身体の感覚やタイミングとは別物だからです。
身体の感覚やタイミングは個人特有のものであって、指導者のそれと選手のそれは全くリンクしないのです。ですから、一生懸命言葉で伝えようとしていても伝わらないのです。
選手が「わかりました。」といったとしても、実現できないポイントはそこにあるのです。
頭でわかったつもりでも、身体がそれを“翻訳”できなければ、意味がありません。
特に子どもや初心者には、言葉ではなく“感じたこと”が上達の鍵になります。
だからこそ、言葉で正そうとするよりも、
「今どんな感じがした?」「それと前の違いは?」と感覚を引き出す問いが効果的です。
コーチングとは、「知識を教える」ことではなく、「感覚に気づかせる」こと。
その視点に立つと、選手との関わり方がガラッと変わります。
あなたも今日から、言葉で伝える前に、「観察」と「問いかけ」を始めてみませんか?
※出典記載:
※本記事の内容は、W・ティモシー・ガルウェイ著『インナーゲーム』(日本経済新聞出版)を参考に構成しています。