「人の行動」は、どこから生まれるのか?

脳科学に惹かれる理由
最近、僕の中で関心が高まっているテーマがあります。それは「人の脳」、そして「行動の理由を科学で捉えること」です。
心理学から脳科学へ:人の行動理解は進化している
これまで、人の行動や感情に関する研究は、心理学的なアプローチが主流でした。ですが、21世紀に入ってから、fMRI(機能的磁気共鳴画像法)などの技術が登場し、脳の活動をリアルタイムで観察できるようになりました。
それにより、「人はなぜそのように考え、行動するのか?」という問いに、脳の働きから迫る研究が加速しています。
科学的な裏付けがないと、落ち着かない性格です
僕自身、昔から“理屈”で納得したい性格です。
たとえば、物体が動くのは、物理的な原因があるから。人が行動するのも、何らかの“物理的・科学的な原因”があると考えたくなるのです。
そして今、僕はコーチングを生業にしています。だからこそ、「問いかけ」や「コミュニケーション」が人の行動にどう影響するのか――感覚だけでなく、理論や科学的根拠に基づいて説明したい。そんな思いが強くあります。
土木出身の僕が見てきた「不確実さを扱う世界」
少し話は変わりますが、僕はかつて土木の世界にいました。橋や堤防などの構造物は、物理法則や方程式に基づいて設計されます。
でも、自然環境というものは、場所や時代によってまったく異なる条件を持っています。そのため、いくら方程式があっても、「安全率」という“余白”を持たせないと、現実の現場ではうまくいかないのです。
つまり、土木の世界でさえ、完全な正解は存在しない。それでも人々の命を守るために、日々、研究と改善を続けている分野なのです。
心理学や脳科学も「安全率」を含んでいる?
人の心や行動を研究する心理学や脳科学も、実はこれに近いものがあると思っています。
なぜなら、どちらも“サンプル”による研究が中心だからです。
「こういう状況のとき、多くの人はこう反応する」という傾向は見えても、個人差がある以上、100%断定することはできません。だからこそ、「人とはそういうものだ」と決めつけるのではなく、「傾向として、そうなりやすい」と捉える柔軟さが必要なのだと思います。
僕が脳科学に魅かれる理由
心理学も嫌いではないのですが、より興味を引かれるのは脳科学の方です。
たとえば、
- 神経可塑性(Neuroplasticity):脳は使えば使うほどネットワークが強化される
- 脳活動の可視化:ある行動をとるとき、脳のどの部位が活性化しているのか
- 情報伝達の仕組み:神経同士がどのように信号をやりとりしているのか
こういった「見える科学」は、僕にとって非常にワクワクするものです。
コーチングと脳科学の接点
人は、五感を通して外部の情報を受け取り、その情報をもとに脳内で処理を行い、行動を選びます。つまり、僕らが使う言葉や声のトーン、表情や姿勢といった“コミュニケーション”の全てが、相手の脳内活動に影響を与えているということ。
特にコーチングにおいては、「どんな問いを投げかけるか?」が、相手の思考・感情・行動に直接つながっていきます。
今、僕はこの問いかけが「脳にどう影響を与えているのか?」をテーマに、日々学びを深めています。
まとめ:目に見えない「人の行動」を、理屈で捉えたい
僕が今、脳科学に注目しているのは、「行動の裏にある原因」を、できるだけ論理的に理解したいからです。
もちろん、人の心や行動は複雑です。ですが、それでも「なぜその行動をとったのか?」に対して、脳のしくみや科学的な根拠からヒントを得られることは、僕のような理屈っぽいコーチにとって、たまらなく面白い分野なのです。
追記:
今後も、コーチング×脳科学という視点から、「人が変わるメカニズム」について発信していく予定です。興味を持っていただけた方は、ぜひ今後の投稿もご覧ください。
ご希望があれば、ブログの冒頭や締めの一言、あるいは画像の挿入ポイントなどもご提案可能です。お気軽にお申し付けください。