コーチの雇い方

コーチの雇い方(21)メタ認知を促進させ、思考力を養うためにコーチを雇う!

コーチングの必要性について

コーチングの必要性について、思考を深めている最中にこんな本に出逢った。
「自律する子の育て方(著者:工藤勇一、青砥瑞人)」
https://www.amazon.co.jp/dp/4815607117/

子育て論なのだけど、脳神経科学からのアプローチを行っていて、僕にとって思考を深めるには良書だと思えた。

コーチングは、目標達成のスキルという思いこみを持っており、日本人の今の状況ではコーチングは有効な手法ではない。と感じている最中に出逢った本なのです。
日本人に有効なコーチングを実施する場合には、どんな風にアプローチしようか。真剣に考えていた時なのです。

私世代の人間は、目の前の課題に集中し処理することが仕事であり、与えられた課題をこなすことで、達成感を得ていました。他の方はわかりませんが、少なくても私の周辺の人達はこんな人の比率が高いと感じていたのです。

一人で処理することが仕事であり、誰かの助けを得ることは一人前の大人として不完全である、との認識があるように感じていました。
それは、だれもが同じ能力を持っており、誰かに助けてもらうのは、自分に能力が足りていない証拠となるのです。そういう意味で、誰かの助けを得るには、一種の拒絶感があります。

しかし、人の能力は均一ではありません。これを認識することが一苦労なのです。今回の話題がそれと異なるので、別の回に記したいと思います。

仕事とは?

さて、仕事を与えられてこなすことが働くことという環境下で仕事をしています。そして、仕事を終えることで達成感が味わえます。この達成感にはその先にある目標や目的地を意識することはありません。意識すらしません。仕事を終えることで賃金が得られ、生活を営むことが可能になると、それ以上の事を望むことはしません。あえて、それ以上のことを望むと「意識高い系」として、うざがられるという環境が僕の周辺にはありました。さらに、それ以上を求めて仕事をすることを提案するとこう言われます。「面倒くさいことはしなくていい。言われたことをしていればいい」となります。
これは、上司から言われると指示命令になりますので、自己成長することは「悪」という烙印を押されてしまうのです。

つまり、自己成長を目指すことは働く組織において、望まれていないのです。
自己成長を望む部下、自己成長を望まない上司。という構図がある場合、上司は自分の立場があやうくなるために、部下の自己成長を潰しにかかることが容易に想像できます。

これらの状況において、コーチングのようなスキルは好まれません。自己成長=高収入となるジョブ型では異なりますが、新卒一斉採用のような企業組織では、自己成長=ヒエラルキーを破壊する。ということになります。

ヒエラルキーを破壊してはならない?

とすれば、コーチングをビジネスに活用することは、組織にとってヒエラルキーを破壊する行為になるために、組織として活用する事を推し進めることはなくなるのです。

これらの環境を知っているコーチングファームは、コーチングをマネジメントの一部として取り入れることを企業に提案し、有効である場合が出てきたので採用する機会が増えてきたと私は理解しています。

確かにコーチングスキルは、クライアントの能力を最大化することが目的のひとつですので、組織を活性化するためには有効なツールになります。この場合は、コーチングのスキルをマネジメントに加えるという形式に成ります。

マネジメントにコーチングスキルを活用する。

これは、マネジメントにコーチングスキルを加える。ということなのです。私からすれば、本来のコーチングとは異なる分野と私は捉えています。

では、本来のコーチングとは何なのでしょうか?という疑問が私の脳裏に浮かぶのです。クラインアントの成長を公私ともに促し、能力を最大化する。のです。

前述したとおり、日本人の教育環境は短期的な目標設定で教育しており、その先の10年後の目標や理由について考察する暇がありません。そのために、社会人になったとしても10年後の目標や目標を達成する理由を設定する経験が少ないために、コーチングを受けるにしても、有効に活用することが難しいと思えるのです。

かといって、コーチングのスキルとそのまま、ぽしゃってしまうのも惜しいと思っています。
そんな時期に出逢った本がこの本なのです。

この本を読み進めていると、以下の一文章が出てきます。

——————–以下 引用—————————————
メタ認知はメタ認知ができる人しか教えられない
人間にとっては自分と向き合うことすら難しいのに、さらに自己を俯瞰的に捉え、そこから何かを学びとる状態までいくことは大人でも困難です。
メタ認知ができない大人が自力でメタ認知ができるようになることはありません。超一流のアスリートや経営者がわざわざコーチングを受けるのも、自己を深掘りするときに意識の矛先が迷走しないように、「思考の伴走者」を必要とするからです。
(出典:自律する子の育て方 P158-159 工藤勇一、青砥瑞人)

———————以上 引用—————————————–

そうなのです、メタ認知を進める(これがコーチングの目的)ために「思考の伴走者」としてコーチを雇う。つまりはコーチングを受けるということになるのです。

これから年齢ヒエラルキーが崩壊する!

これからの組織は、年齢ヒエラルキーは崩壊していきます。当然リストラも生じます。使い物にならない人材は切り捨てられる時代に入っていますので、自己成長は欠かせない事になります。いざ、切り捨てられる時にコーチングを受けても遅いと言うことになります。なぜなら、コーチングを受けて自己成長するためには期間を要する事になるからです。

切り捨てられないために、自らの希望を叶えるために、今からカウンセリング的でない、目標達成を果たしすために、自己成長を促すために、思考力を高めるためのコーチングを受けておくことをお奨めしたいのです。

令和4年7月12日(火)
茂木ゆういち