脳内ネットワークの質を上げれば、状況判断の時間を短くできる
もっとパフォーマンスが上がるはずなのに、上がらない。その理由のひとつに対話不足がある。対話は、脳に刺激を与えて脳内ネットワークを構築する。ネットワークが増えて、質が高まる。これが、プレー中の選択肢を増やす。
選択肢が多すぎると迷うかもしれないが、こうも言える。
状況を観察して、処理する能力が高まれば、選択肢を速やかに選択できる状態になる。これがネットワークの速さだ。
プレー中に止まることは許されない。止まれば、相手に有利に運んでしまう。動き続ける事で相手の状況判断を遅らせることが可能なのだ。
つまりはネットワークの質によって、状況判断の差が生じていまうのだ。これが、勝負を分けていく。
瞬間の判断は約0．１９秒
秒ではなく、コンマ数秒。この時間で、選択肢を出し、判断し、決断し行動する。これがスポーツの世界。状況判断が全てを決めるといっても過言ではない。
野球のバッターが、球筋を見極めることは不可能だ。球の種類を見て降り始める。視覚情報が運動系への指令に変わるまでは0．１９秒と言われている。ピッチャーの手を離れてから、キャッチャーミットに収まるまでの時間は０．４７秒（全国高校野球大会出場レベルのピッチャーの場合）とも言われる。
その時間内に判断して、行動する。
サッカーのPK（ペナルティーキック）で、GK（ゴールキーパー）がシュートを止める。判断するまでの時間が０．４４秒（高校サッカー全国大会出場校レベル）とする。
人間が視覚情報を得て、脳内で処理し、運動指令を手足に発令して動くまでの時間は反応時間として知られています。これは視覚反応時間、脳の処理時間、そして運動反応時間の合計となります。
- 視覚反応時間：視覚情報が目に入ってから脳に伝わるまでの時間
- 脳の処理時間：脳が情報を処理し、適切な運動指令を生成する時間
- 運動反応時間：運動指令が手足に伝わり、実際に動作が開始されるまでの時間
一般的な反応時間の範囲は以下の通りです：
- 視覚反応時間：20-30ミリ秒（ms）
- 脳の処理時間：70-100ミリ秒
- 運動反応時間：100-120ミリ秒
合計すると、最も速い場合でも反応時間は約190ミリ秒（0.19秒）となります。これは非常にシンプルな反応の場合で、複雑な判断や動作が必要な場合はこれよりも長くなります。
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全国高校野球大会レベルに出場する高校のピッチャーの投球速度は一般的に時速130〜150キロメートル（km/h）程度です。ここでは時速140キロメートル（km/h）を仮定して計算します。
ピッチャーからホームベースまでの距離は18.44メートルです。この距離を通過するのにかかる時間を計算します。
速度 (v) = 140 km/h = 140,000 m / 3,600 s = 38.89 m/s
距離 (d) = 18.44 m
時間 (t) = 距離 / 速度 = 18.44 m / 38.89 m/s = 0.47 秒
したがって、全国高校野球大会レベルのピッチャーの投球がホームベースにさしかかるまでの時間は約0.47秒です。
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サッカーのペナルティーキックの速度は選手や状況によって異なりますが、高校サッカー全国大会レベルの選手が蹴るペナルティーキックの速度は一般的に時速80〜100キロメートル（km/h）程度と考えられます。ここでは時速90キロメートル（km/h）を仮定して計算します。
ゴールラインまでの距離は11メートルです。この距離を通過するのにかかる時間を計算します。
速度 (v) = 90 km/h = 90,000 m / 3,600 s = 25 m/s
距離 (d) = 11 m
時間 (t) = 距離 / 速度 = 11 m / 25 m/s = 0.44 秒
したがって、高校サッカー全国大会レベルの選手が蹴ったペナルティーキックがゴールラインを通過するまでの時間は約0.44秒です。
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思考速度を上げるには、脳内ネットワークを整備する
脳内ネットワークの質を向上させ、増やすには思考に刺激を与え続けることが効果的だ。思考に刺激を与えることが、思考速度を上げることが可能になる。
思考速度を上げるために、できることは対話を行う事。単なる対話ではない。スポーツ選手がやりたいこと。なりたいことを話す、聞く、問われる。これが有効だ。
この有効な手段を「コーチング」というのだ。
スポーツ選手の思考力を深め、思考速度を上げるために、いままでスポーツ選手がされていた「コーチング」とはひと味異なる「コーチング」を採用することが、あなたのプレーの反応速度を上げるために効果的である。