役所マネジメントの新常識!○○と□□をつなげる。

民間企業と役所のマネジメント

民間企業と公務員のマネジメントは多少異なる。公務員を辞めて、コーチングを実践しつつ、民間企業の研修を経験したからわかってきた。第一、目的が異なるのだから、モチベーションのありかが異なるのだから違うのです。

民間企業がめざすもの

明確ですね。市場に価値のあるものを投入し、利益を出し、社員の雇用を創出し、継続し続けること。
P.F.ドラッカーは「マネジメント」の中で、企業の目的を以下の様に定義しているのです。
「企業の目的の定義はひとつしかない。それは、顧客を創造することである。」
良い商品、良いサービスを開発し、それをほしがる人を、市場を創り出すということになります。

行政機関がめざすもの

まずは法令に基づく秩序を形成すること。国の法律に則り、住民が生きていく為に必要なサービスを提供することにあります。行政機関は営利を出す機関ではなく、皆から拠出された資金を元に運営され、サービスを提供するものなのです。(サービスの程度は、サービスの種類によって異なります)

3つの誤解

公務員の構造改革といって、民間のやり方を公的機関に導入といわれてきたことがあります。事実、民間で実施している目標管理シートなどや成果による評価制度が導入されてきた機関もあります。
私の部門では、その制度を導入したあとと、する前とではモチベーションの変化が有りました。導入後、モチベーションがだだ下がりとなりました。

マスコミをはじめとして、行政機関の存在理由を理解できていない。という現状があり、企業と行政は同じ組織体制であるとの誤解があるのです。それをP.F.ドラッカーは断言しています。

3つの誤解として以下の3つが「マネジメント」で書かれています。

1)企業と同じようにマネジメントすれば成果を上げられると、くどいほど言われてきた。これは間違いである。企業のようにマネジメントせよというのは、間違った処方箋である。

2)公的機関に人材がいない。というのも誤解である。全ての組織の管理職がスーパーマンでない。企業の人間が公的機関のマネジメントに任命されたとき、官僚よりもうまくやれると信ずべき理由はない。われわれは、彼らが直ちに官僚になることを知っている。

3)公的機関の目的と成果が具体的でない。これは問題の一面しかみていない。

という誤解である。

役人も誤解している。

効率と成果を役人はめざしている。もちろん議員もめざしている。首長もそうです。だから、役人もそうせざるを得ない。役人も企業人と同じになっています。企業の役割、公的機関の役割は同一のものである。このような認識になった場合、公的機関の役割が果たせなくなっていくケースがあるのです。

行政機関の迷い

そこで課題として浮上してくるのが「法令遵守」というものと「統治」というものなのです。「法令遵守」は法律が定められた目的によって運用され、解釈ができあがってきます。時代と共にその解釈に変化があり、日本という法律システム上の統一解釈を変更してきている。それに応じて、公平な社会環境を創出する責務が公的機関にはあると認識しています。公平な社会環境を創出するためには、”ある”程度の秩序が必要な場合があります。

企業は法律の解釈を利用して活動しています。行政は法律システム上の解釈を率先して適用していく機関です。そのため企業のような独創的な発想が苦手であり、その役割は企業がになうものとなります。

独創的=突出する。

ということです。とすると秩序が乱れる要因になります。

首長、議員はそれを求めます。一方で機関としての役割を逸脱する場合があるため、職員に迷いが生じます。その迷いが非効率な行政、公的機関を生んでいきます。

職員の仕事と目的

行政機関の目的が、企業の目的「顧客の創造」でないことは前述しました。行政機関の仕事について職員に訊いて回ったことがあります。「なぜ、その仕事をしているの?」「なんの為にその仕事をしているの?」と。すると、怪訝そうな顔をして「なぜ、そんなことを訊くのですか?引き継いだ仕事だからやっているのです。」という答えが返ってきます。役所は明確な目的はありますが、その目的を言える人が少ないのは事実です。企業でも同じなのかもしれません。企業はドラッカーが言うように「顧客の創造」という1つの明確なものがあります。ドラッカーは、公的機関の目的は、公的機関の種類によって様々なため記していないのは残念なところです。
※深く読めば書いてあるような気もするのですが・・

目的を明確に定義する

それぞれの行政機関は、住民の生活全般にわたるサービスを提供しているために1つの行政機関で目的を言葉にすると抽象的すぎてなんだかわからなくなります。職員がより良く仕事をするためにはある程度、抽象的なことを具体的にする必要があります。できれば部単位で定義する必要があります。

その部は何の為に存在しているのか?何を実現するためにしているのか?という問いに応える目的を定義する必要があります。これも時代によって変わってきますので、見直しが必要になるのです。

仕事と目的をつなげる

職員の人がしている仕事があります。作業と呼べるレベルがあります。そのレベルから部の目的まで抽象度合いを高めていきます。抽象化のはしごを登っていく作業です。作業と目的を交互に繰り返し、部の目的に到達できたらおしまいです。

このやり方は、バリューエンジニアリング手法の機能系統図を作成する手順を応用しています。機能系統図の作成手順を使って職員が「機能系統図」を作成することで、普段の仕事に意味づけを行えるようになるのです。

この経験を踏まえると、常に仕事と目的をつなげる習慣が身につきます。これが、仕組みとなって行政機関がより機能し始めます。

行政機関のマネジメントで足りないもの

アメーバ経営やサーバントリーダーシップというマネジメントも有効なマネジメント手法です。その前に、仕事の目的を上司部下が明確に言葉として認識するということとその目的と普段している仕事がつながげる。この作業がマネジメントをするためにも必要です。マネジメント=より良くする。なんの為により良くするのか?という問いを持ち続けてほしいです。

先送りすることは、組織を疲弊させる。

行政機関をはじめ、公的機関は疲弊しています。深刻な状況です。企業マネジメントを取り入れる前に、目的と仕事をつなげることを先送りした弊害です。公的機関は企業とは目的もやり方も異なります。P.F.ドラッカーが言うように、公的機関は企業ではないのです。そのことを前提に職員教育を行う必要があります。

公的機関が行うべき職員研修

1)企業と公的機関の区別を明確にする

2)目的と仕事をつなげる

この2つを実施することが、疲弊した行政機関を健全にする近道となります。

研修講師選びを間違えないこと

研修講師派遣会社があります。どこでもいいわけではありません。行政の実情を知っている研修会社を選ぶ必要があります。私自身、研修講師派遣会社の研修を公務員時代に10回以上受けています。役に立った研修は希少です。全て、顧客の創造。利益のためにすること。という前提で講師が研修をしているために、響かないのです。講師自身がわかっていないのでとんちんかんな内容になっています。

興味があれば、メールで問い合わせてください。公務員に適したマネジメント研修を提供できます。30年の実務経験と公務員マネジメントの実績とマスターコーチ直伝のビジネスコーチング&マネジメント研修を提供します。

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