自分らしさ

昔から着ていた服を脱いだのはいつだろう?
ものすごく着心地の良い、そして体型にも合っていた服
いつ、着心地が悪くなったのだろう?
数十年、長い間身体になじんでいた服だった。
着ていて楽だった。動きやすかった。

社会人になって、切るものが変わってきた。
少々ごつくなって、堅い素材のものだった。
見栄えが良い、高級そうな、いかにも一般受けしそうな服。
周りの皆が、
「似合うね!」
といってくれた。

僕はその服と付き合う決心をした。
数十年着続けた。
そして、古ぼけたその服を
僕はまだ着ていた。

手垢にまみれ、シミもついていた。
着心地が良いと思っていた服は
社会人になってから身につけた服の下に着ている。
社会人になってから身につけた服は
時代遅れになっていた。

着心地が良かった服は
小さくなった。

鏡を見た。

似合っていたと思っていた服は
みすぼらしく、すり切れていた。
着心地が良かった服もパンパンになっていた。

そして、僕は服を脱ぎ捨てた。

裸になってみた。

自分の姿を鏡に映した。
見たくない姿だった。でも、苦渋の選択をした。
その姿を、
ありのまま受け入れる。
そして、今の自分のサイズにあう服を身につけた。

そして、
再び動き始めた。
身軽になり、軽快な足取りで
自分が進みたい、歩きたい道を
小走りに駆けていった。
そして、僕は目指していた場所にたどり着いた。

そこには、今の僕にふさわしい
お酒やお菓子や食べ物、そして唄があった。
充分にエネルギーを蓄えた。

少しの休憩のあと、僕はまた
小走りで駆けていった。

そう、今の自分にあう服を身につけ
自分の好きな色、好きなデザインの服を身につけた。

僕は今、小走りに走っている。

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